第16回板橋区伝統工芸展「人とモノ」

平成7年に初めて伝統工芸展を開催して以来20年近い年月が過ぎ、今回16回目を迎えることとなりました。これまでの展示で様々な分野の職人さん達の見事な作品をご覧頂いてきましたが、それらを通じ彼らの人となりの一端を紹介することができたかと存じます。
　さて、平成7年に出品協力をして頂いた職人さんの数は30名を数えました。しかしながら今回その数は21名となってしましました。約３分の１の方が諸般の事情により板橋区から、あるいはこの伝統工芸の世界から離れていきました。もちろん区内にはこのほかにも伝統工芸に携わっている方はおられるでしょうし、板橋区を離れて仕事を続けている方もおります。工芸であれ芸能であれ、「伝統」と名のつむものを保ち遺していくことは本当に困難の伴うもので、それは板橋区在住の職人さんにも当てはまります。こうした中、20年にもわたり展示を開催し続けてこられたのは、ひとえに展示にご理解とご協力を頂いた職人さん達がいたからこそだと思います。
　今回の展示では、改めて職人さん達が受け継いできた技 ―伝承された無形のもの― の成果であるモノ ―作品ー を見て頂き、伝統工芸展の良さとそれを遺してゆく難しさを少しでもお伝えできれば幸いです。
　また、今回の展示では作品展示のほかに、平成16年に展示協力者有志により結成された「板橋区伝統工芸保存会」の10年の歩みも合わせて紹介します。

出典 www.k5.dion.ne.jp